温泉一人旅 - 2017
この記事は 今年行ってよかったところ Advent Calendar 2017 18日目の記事です。
2017年は国内外問わずいろんなところを旅行した年でした。 国内・国外どちらの記事にしようか迷ったのですが、ここでは国内旅行に絞って書こうと思います。
発端
東京にいるととにかく人が多くて精神が摩耗してきて 山に…籠りたい… という願望が強くなってきます。加えて、今年の夏は大きなプロジェクトのリリースがあって身体も悲鳴をあげていました。
山に籠れて身体も癒せる場所…
温泉だ! ♨♨♨
ということで3日間の有給をいただき、急遽温泉一人旅へ。後述しますがこれがとてもよい旅で、それから人の多さに酔って山に籠りたくなると一人で温泉へ出かける、という生活をしていました。
今年行ったのは4箇所。
どれも大変癒やされる温泉だったので軽くですが紹介していきます。
万座温泉 (群馬県 吾妻郡 嬬恋村)
- 7/27 - 7/28 (一泊)
- 万座プリンスホテル
- 硫黄泉 (場所によっては温泉 1kg あたり 300mg 以上、ph2.4)
「満点の星空が見られる温泉」というようなキャッチコピーに惹かれて旅先の候補入りに。調べていくと「日本でいちばん硫黄含有量が多い温泉」とあったので、万座プリンスホテルを一泊二日で予約しました。
宿のサイトでこんな画像出てきたら行くしかない (万座プリンスホテル公式サイトより)。
それまで塩化物泉にしか入ったことがなかったので、硫黄泉というのも重要なポイントでした。
軽井沢
新幹線で軽井沢まで行き、そこからホテルのバスで1時間半ほど山へ入ったところに万座温泉はあります。山奥…!とても山奥…!これぞ求めていた山籠り…!
この頃心身ともに非常に疲れていたのでカメラを持っていくという思考が働かず写真が全然ないのですが、温泉宿以外何もないです。
ちなみに新幹線で寝過ごして長野まで行ってしまい、軽井沢で3時間のバス待ちをしました。軽井沢駅のすぐとなりにアウトレットモールがあるのでそこで洋服買ったりプリン食べたり、街中にある別荘情報を眺めたりして時間を潰していました。
温泉
女湯は内湯と露天の2種類と、混浴露天風呂がありました (男性側も同じような構成だったと思います)。混浴露天風呂は先ほどのホテルの写真のお風呂です。が、当日は曇り空で星空が見込めなかったので、夜に内湯、朝風呂に女湯の露天風呂へ行きました。
足を入れた瞬間分かる、硫黄濃度の高さ…!
硫黄濃度が高い (= 強めの酸性) ので古い皮膚が溶かされてすべっすべになるのだそうです (※ 皮膚が弱い人は長時間浸かってると危険です)。本当に、びっくりするほど一瞬で肌がすべすべのつるつるに。
朝風呂でいった露天風呂はなんと私一人しかいなくて貸し切り状態に…! 露天風呂の方が硫黄濃度が少しだけ低かったような気がします。色も内湯ほど白濁していませんでした。もしかしたら時間によるのかもしれませんが。
目の前に山があって、一人で温泉に浸かって、肌もすべすべで。
生きててよかった〜って思いました。
食事
この旅で思い出深かったことの一つに、宿の食事があります。
例によって写真がないのですが、それはこの時期疲れすぎていたため、この温泉旅を「旅」というよりも「療養」と位置づけていたからです。身体が弱っていて何も口にすることができずにいました。
そんな状態だったので、宿の夕食はレストランのコース料理ではなく、ビュッフェ形式を敢えて選びました。ビュッフェなら食べられる分だけ取ればいいので。
ところが、このビュッフェが何を食べても美味しい。
万座温泉は群馬県と長野県の間くらいにあるので、両方の県の特産品や郷土料理が並んでいました。いわゆる「田舎の郷土料理」というやつです。それらがじんわりと優しい味で、するすると食道を通り、すとんと胃に落ち着く。
食べ物を美味しいと感じたのが久しぶりすぎて、冗談抜きに涙が出そうでした。 この日の食事以降、私の食欲は徐々に快復していきます。宿の方々に、温泉と食事で生き返らせてくれて本当にありがとうございましたと言いたいです。
観光
万座温泉には温泉宿しかないっぽかったので、軽井沢まで戻ってバスで山の中へと向かいます。
記憶が曖昧なのですが30分くらい揺られて、白糸の滝へ行きました。
緑生い茂る山の中を澄んだ水がダバダバと流れる様が大好きで、帰りのバスを待ってる間しばらくぼーっと滝や川を眺めていました。
所感
軽井沢に別荘が欲しい。毎年行く。
箱根温泉 (神奈川県 足柄下郡 箱根町)
さて、万座温泉で温泉旅の良さを知ってしまった私は9月のシルバーウィークに2ヶ所の温泉へいきました。こちらはその前半部。
出身が神奈川県なので箱根温泉自体は何度か訪れていますが、箱根湯本より先には行ったことがなかったので、今回は強羅まで行ってきました。
ロマンスカー (懐かしい)
↓
箱根登山電車 (めっちゃ楽しい)
↓
箱根登山ケーブルカー (初めてみる)
と山に入っていくごとに乗り物が変わり、「そんなに箱根の山は傾斜がキツいのか…」と神奈川県出身のくせに驚くなどしました。
温泉
大涌谷が源泉の硫酸塩泉です。箱根で硫黄泉・硫酸塩泉の温泉を持つ宿がそもそもあんまりなく、かつ、私の貯金でも手が届く宿がこの桐谷箱根荘でした。
※ 箱根の温泉公式ガイド 箱ぴた で泉質から旅館検索ができるのでとても便利です。
宿にある温泉は以下の通りです (詳細は公式サイトを見てください)。
- 本館
- 内湯
- 露天 (男女入れ替え制)
- 家族用貸し切り風呂
- 別館1
- 内湯
- 露天
- 足湯 (宿泊でなくても無料で利用可)
- 別館2
- 有料貸し切り風呂
私の部屋は本館の内湯の目の前にあったので、夜は本館内湯、朝は本館露天へ行きました。さすがに万座ほどすぐにはすべすべにならなかったですが、それでもじっくりお湯に浸かっているうちにだんだんと肌がすべすべになっていきました。今回も朝の露天風呂は貸し切り状態で、ゆったりとできました (たぶん露天風呂の方が濃度が高かったです)。
観光
大涌谷
さきほどの箱根登山ケーブルカーを終点で降り、ロープウェーでさらに山奥を目指します。山奥というか、芦ノ湖ですね。芦ノ湖にはあんまり滞在しなかったのですが、ロープウェイから見える大涌谷は大迫力でした。
箱根の山
どこかのサイトに「90分くらいで辿れる」と書いてあったのでハイキング気分で箱根旧街道へ行きました。そしたらこれがもう大変な山登りで、「そういえば箱根の山は越えるの大変だったんだっけな…」と神奈川県出身者でなくても聞いたことがあるような知識を今更になって思い出すのでした。
所感
山篭りは楽しいが山登りは大変…!(次登るときがあったらちゃんと装備していこう)
平湯温泉 (岐阜県 高山市 奥飛騨温泉郷)
- 9/22 - 9/23 (一泊)
- 奥飛騨温泉郷 平湯 匠の宿 深山桜庵
- 単純温泉
シルバーウィーク温泉旅後半部です。奥飛騨!
ここを選んだのは、単純に山に囲まれたかったからというそれだけの理由です。ちょうど、某カードの優待で安く泊まれるようになっていたので選びました。
新幹線で松本まで行き、そこからバスで1時間半ほど行くといきなり温泉郷が現れます。それが平湯温泉です。
北アルプスを初めてみたのですが、本当に美しくかっこいいですね。後にブラタモリで「北アルプスは氷河が滑り落ちるとき一気に削ってできた山だから他の山より切り立った形をしている」とやっていていたく感激致しました。
温泉
とにかく宿が荘厳でした。こんなにいい宿とは予想しておらず、到着してからしばらく圧倒されていました。
温泉は内湯・露天・貸し切り風呂・貸し切り露天 (予約制) ・足湯 (出入り自由) がありました。夜は内湯とそこから繋がる露天、朝は貸し切りの露天風呂へ入りました。
なんて贅沢なのだ…!
宿のこと、特にお食事について
お風呂もですが、宿自体が本当に至れり尽くせりな宿で、食事は美味しいわ部屋は綺麗だわお土産は豊富だわ景色は最高だわ夜鳴きそばならぬ夜鳴きラーメンは出てくるわ…一泊じゃ足りない!
夕食にはとにかく飛騨牛がたくさん出てくる。最初から最後までずっと飛騨牛。飛騨牛本当に美味しくて、この宿から家へ配送もしたし、ふるさと納税でも送ってもらいました。
この頃にはすっかり元気になっていて食い意地も張っているので、深夜の夜鳴きラーメン食べようと思ってたのですが、さすがに食事をする気になれないほど満腹になりました。
そして朝ごはん。これが夕食の飛騨牛に引けを取らないくらいに美味しいです。優しい味。
観光
平湯温泉では地面のあちこちからお湯が湧き出ていて、こんな風に温泉たまごを作ってたり、無料の足湯がたくさんあったりします。
ここも温泉宿と商店以外ほぼ何もないと言っても過言ではないですが、山好きな私にはとても素敵な場所でした。やはりなんと言っても北アルプスの美しさ!惚れ惚れしてしまいます。
翌日のお昼頃に新穂高ロープウェイで展望台まで行ったのですがその時間は天気がよくなく、山には霧がかかっていたので何も見えませんでした…槍ヶ岳とか見たかった…
所感
美しい北アルプスと素敵な宿と美味しい飛騨牛。山籠りには最適。
鳴子温泉 (宮城県 大崎市 鳴子温泉)
- 11/23 - 11/26 (鳴子温泉一泊 / 仙台二泊)
- 鳴子温泉 湯元 吉祥
- 低張性アルカリ性高温泉(pH値8.6)
ずっと酸性泉質の温泉に行っていたので、アルカリ性の温泉にも入ってみたくなって鳴子温泉へ行きました。
新幹線で仙台の1つ先にある古川駅までいき、そこから JR 陸羽東線で約50分ほど揺られて鳴子温泉駅に到着です。
寒い…
ミネソタ州だのフィンランドだのに住んでいたので北国の気候には慣れていると思っていましたが、かなりの不意打ちを食らってしまいました。
温泉
内湯・露天・貸し切り風呂がありました。いつもの通り、夜は内湯とそこから続く露天風呂、朝は貸し切り風呂に入りました。
硫黄含有量が高い温泉だと湯あたりしやすくてあんまり長時間入れないのですが、ここの温泉は硫黄が入っていないのと低張性だからなのか、長時間気持ちよく入っていられました。
翌朝は雪が降っている中で檜風呂を貸し切り…大変風流で贅沢でした。
今回初めてのアルカリ性温泉だったので宿で成分のことを軽く調べたのですが、高校の頃化学が苦手で、受験のときは「これ終わったら全部忘れてやる…!」と泣きながらイオンだのベンゼンだのを覚えていったので、泉質について調べていてもよく分からないことが多くてもどかしかったです。。
観光
地獄谷
鳴子温泉からバスで30分くらい行ったところに鬼首地獄谷遊歩道があります。岩という岩、地面という地面からボコボコとお湯が湧き出していて、地球って活動してるんだなって壮大な気持ちになれるところです。とてもおすすめです。
下の2枚は鬼首間けつ泉にある、湯の滝です。
余談ですが間けつ泉が吹いたらプッシュ通知欲しいな…と寒い中待ってて思いました。
鳴子温泉付近
潟沼
宿からもっと山に入ったところにある潟沼。強酸性のため (pH2.4) 水の色が青緑色です。朝だったので雪が降ってて寒かったのですが、レストハウスのおじさん、おばさんがとても親切な方々で、温泉で淹れたというコーヒーは渋みと苦味がとても美味しかったです。
鳴子峡
紅葉シーズンが終わっていたのととても寒かったので全然人がいなかったです。遊歩道もオフシーズンだったり東日本大震災の影響で閉鎖されていたりで、歩くことはできませんでした。
ほんのちょっとですが、雪と紅葉という珍しい組み合わせを見ることができました。
仙台
鳴子温泉から陸羽東線で小牛田駅まで行き、そこから東北本線で仙台を目指します。 旅行では移動中に Google Map を開くのが好きなのですが、よくよく見ると日本三景の一つ、松島に停車することが分かりました。この日はよく晴れていたため予定を変更して松島へ。
15時の観光船最終便で1時間のクルーズを終えたらもう夕焼けになっていて、体感だと全然 JST じゃない…
仙台では友人に教えてもらったパンケーキカフェで江國香織の小説を読んだり、
宿の近くにある仙台市天文台に二度も足を運んでプラネタリウムを見たり、
市内からはちょっと遠いんですが仙台うみの杜水族館で美味しそうな鰯や鯖をみたりしました。
個人的には星が好きなので天文台はおすすめです。プラネタリウムもユーミンの歌を流してくれたりけっこうセンスのいい上映をやっていました。
所感
化学も地学も捨てちゃダメ。勉強しておくと後の人生楽しいよって高校生の自分に言いたい。
今後
温泉一人旅、最高すぎて来年もコンスタントにやっていきたいです。少しでも温泉地の助けになればいいなと思い、お世話になったところにはふるさと納税するようにしています。飛騨牛〜〜〜
山と温泉と美味しい食べ物が自分は好きなんだなと深く認識した一年でした。